本日進水、晴天なり [造船業]
皆さんこんにちは
雨男と言われているコーです
今回は、進水とその前に行われるドックの半注水作業についてです。
皆さん進水といえば船台での進水をイメージしますが
(写真はグループ会社のしまなみ造船)
今治工場では、「船渠(ドック)」で建造を行っています
船台は陸から海へと、滑り台のように伸びていますが、
ドック建造は、穴を掘り地表より下に建造施設を作ることにより、
船台とは違い水平な定盤が出来き作業(溶接やブロック搭載)がしやすくなります
しかし、地下に穴を掘り海と直結させるため、普段はドックゲートという施設で
海水が流入しないよう、海と地下を分けています。
(今治工場ドックゲート)
船台では進水の際、勢いよく坂を駆け降りる姿が有名ですが、
ドック進水の際は、ドックゲートをいきなり開けてしまうと、
海水が一気に入り込み船が損傷するため、水路(注水ゲート)を使い徐々に
ドック内に水をためていきます。
(注水作業中)
そして、この注水作業で行う作業の一つに半注水があります
半注水を行う理由は様々ありますがその一つとして……
船は設計上どうしても機関室(エンジン)や居住区のある艦尾が重くなります
そのため、そのまま注水を続けると軽い艦首が先に浮き艦尾が
下に沈み込みます(シーソーでイメージすると片っぽだけに人が乗っている状態です)。
そうすると船底にダメージが入ります
そうしたことを防ぐため、艦首のバラスト区画(FPT[Fore Peak Tank])に
バラスト水をドック注水前に張り込みます。
しかし、ある一定の水量をFPTに張り込むと重さに耐えられなくなり
船底や船を支えるコンクリート盤木にダメージが入ります
そのため、船底にダメージが入るぎりぎりまで注水を行い、
そのあと、船の船底から2mほどの高さまで注水を行います。
この作業を半注水といい、この作業で船の船底全体に浮力を持たせます。
(半注水後の光景)
その後、再度FPTに注水を行い規定量まで張り込めば、
全注水。進水となるわけです
進水当日の朝は雨男コーせい?で曇り模様でしたが、進水の時間になると
見事な晴天となりました
タグボート3隻が船をゆっくりドックから出していきます(出渠作業)
今治工場のある波止浜湾は対岸からの距離が近いため、
出渠する際は、真っすぐ出ず途中からタグボートを使い少し曲がりながら出ていきます
そのため、船とドック端部の距離が最短で2mほど接近します
スレスレを通っていきますが熟練ドックマンの指示と、
タグボートの連携により見事に出渠作業が行われていきます
(スレスレ通過)
ドックから船が出ると、進水は完了し船は
艤装を行うため、桟橋へと係留されます。
それとは別に建造ドックではドックゲートが閉じられ、
排水作業・掃除・盤木の配置転換を行ったのち、
次の船の建造が始まるのです。
byコー
雨男と言われているコーです
今回は、進水とその前に行われるドックの半注水作業についてです。
皆さん進水といえば船台での進水をイメージしますが
(写真はグループ会社のしまなみ造船)
今治工場では、「船渠(ドック)」で建造を行っています
船台は陸から海へと、滑り台のように伸びていますが、
ドック建造は、穴を掘り地表より下に建造施設を作ることにより、
船台とは違い水平な定盤が出来き作業(溶接やブロック搭載)がしやすくなります
しかし、地下に穴を掘り海と直結させるため、普段はドックゲートという施設で
海水が流入しないよう、海と地下を分けています。
(今治工場ドックゲート)
船台では進水の際、勢いよく坂を駆け降りる姿が有名ですが、
ドック進水の際は、ドックゲートをいきなり開けてしまうと、
海水が一気に入り込み船が損傷するため、水路(注水ゲート)を使い徐々に
ドック内に水をためていきます。
(注水作業中)
そして、この注水作業で行う作業の一つに半注水があります
半注水を行う理由は様々ありますがその一つとして……
船は設計上どうしても機関室(エンジン)や居住区のある艦尾が重くなります
そのため、そのまま注水を続けると軽い艦首が先に浮き艦尾が
下に沈み込みます(シーソーでイメージすると片っぽだけに人が乗っている状態です)。
そうすると船底にダメージが入ります
そうしたことを防ぐため、艦首のバラスト区画(FPT[Fore Peak Tank])に
バラスト水をドック注水前に張り込みます。
しかし、ある一定の水量をFPTに張り込むと重さに耐えられなくなり
船底や船を支えるコンクリート盤木にダメージが入ります
そのため、船底にダメージが入るぎりぎりまで注水を行い、
そのあと、船の船底から2mほどの高さまで注水を行います。
この作業を半注水といい、この作業で船の船底全体に浮力を持たせます。
(半注水後の光景)
その後、再度FPTに注水を行い規定量まで張り込めば、
全注水。進水となるわけです
進水当日の朝は雨男コーせい?で曇り模様でしたが、進水の時間になると
見事な晴天となりました
タグボート3隻が船をゆっくりドックから出していきます(出渠作業)
今治工場のある波止浜湾は対岸からの距離が近いため、
出渠する際は、真っすぐ出ず途中からタグボートを使い少し曲がりながら出ていきます
そのため、船とドック端部の距離が最短で2mほど接近します
スレスレを通っていきますが熟練ドックマンの指示と、
タグボートの連携により見事に出渠作業が行われていきます
(スレスレ通過)
ドックから船が出ると、進水は完了し船は
艤装を行うため、桟橋へと係留されます。
それとは別に建造ドックではドックゲートが閉じられ、
排水作業・掃除・盤木の配置転換を行ったのち、
次の船の建造が始まるのです。
byコー
注水も技術がいるのですね
バランスを崩して、船が倒れないようにするのも一苦労のようですね
by tochi (2020-03-06 11:57)
プロ集団のやることはさすがですね、すごい!! q(^_^)p
by himanaoyaji (2020-03-07 06:58)
以前、書いた気もしますが、ウチの両親は進水式のロープカットをしたことがアリます(自分は写真で見ただけ)。「だから何?」ってこともない話ですが(笑)…
by トモミ (2020-03-07 14:59)